
産業廃棄物収集運搬業において、運搬車両は「動く処理施設」とも言える重要な役割を果たします。ただ廃棄物を運ぶだけではなく、「適正に運び、適正に引き渡す」ことが法的にも実務的にも求められており、その過程で多くの注意点が存在します。この記事では、収集運搬車両による産業廃棄物の運搬において、特に気をつけるべきポイントを解説します。
1.積載物の飛散・流出・漏洩防止対策
廃棄物が運搬中に飛散・流出・漏洩しないよう、確実な対策を施すことが義務付けられています。
このためには、以下のような対応が求められます。
- 廃棄物の種類に応じた専用容器や梱包の使用
- 密閉型車両や防水シート等の利用
- 積込み後の外観確認、走行前の点検の徹底
特に液状廃棄物や汚泥を運搬する場合には、「密閉」「防水」「排出弁の閉止」などが法的にも必須です。
2.マニフェスト(産業廃棄物管理票)の適正運用
収集運搬の際には、マニフェストの携行と記載内容の正確さが極めて重要です。
誤った内容を記載したり、記載漏れがあった場合は、違反行為として行政指導や場合によっては許可取消の対象にもなり得ます。
- 発行前の内容確認
- 積込時の数量・品目の確認
- 引渡し先での受領印の取得
- 控えの保管義務(5年間)
デジタル化が進んでいるものの、現場では紙マニフェストの扱いも根強く残っているため、両方に対応する意識が求められます。
3.運搬経路とスケジュールの管理
廃棄物の収集運搬は、最短距離でかつ安全なルートを選定することが基本です。
また、施設の受入時間や渋滞情報、道路工事の有無などを踏まえて、無理のない運搬スケジュールを組むことが重要です。
- 渋滞による長時間停車で温度上昇が懸念される廃棄物の対応
- 車両ごとのGPS管理によるリアルタイム把握
- 不測の事態に備えた連絡体制の確保
無駄な寄り道や不適切な場所での駐車などが発覚した場合、契約違反とされるリスクもあります。
4.積替え・保管の取扱いに注意
産業廃棄物は原則として、積替えや保管が認められていません。
一時的な積み下ろしや倉庫での保管を行う場合には、別途「積替え・保管を含む許可」が必要になります。
もし無許可で積替え行為を行った場合、法令違反として処分対象となるだけでなく、元請企業からの信頼も失いかねません。
積替えを想定する場合は、事前に許可内容を確認することが大切です。
5.車両と運転手の体制整備
収集運搬に使用する車両には、許可時に申請した仕様・車種と一致することが必要です。また運転手にも以下のような注意が必要です。
- 必要な免許(大型・中型等)を保有していること
- 産業廃棄物に関する基本的な知識を習得していること
- 飲酒・健康状態・勤務時間等の安全管理が行き届いていること
運転手のちょっとした判断ミスが、大きな事故や違反につながるリスクがあるため、日々の教育や社内ルールの周知徹底が不可欠です。
おわりに
産業廃棄物の収集運搬は、単なる移動業務ではなく、「法令遵守」「安全配慮」「信頼維持」が求められる極めて専門性の高い仕事です。
一つひとつの注意点を軽視せず、日々の運搬業務に責任と誇りを持って取り組むことが、事業者としての信頼を築く大きな一歩になります。
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