1.本来必要な許可は「一般廃棄物収集運搬業許可」

リサイクル業者や遺品回収業者が家庭や事業所から不用品を回収する場合、その多くは一般廃棄物に該当します。
この業務を行うには、市区町村ごとの一般廃棄物収集運搬業許可が必要ですが、取得のハードルは非常に高く、以下のような制約があります。

  • 自治体による公募や推薦制度が必要で、新規参入は困難
  • 既存業者とのバランスを考慮され、事業者数が制限される
  • 地域密着や実績など、許可に必要な評価項目が多い

その結果、「一般廃棄物許可をすぐには取れない」という状況に直面する事業者が多くなります。


2.産業廃棄物収集運搬業許可を選ぶ背景

一般廃棄物許可が取れない場合、比較的取得条件が明確で全国的に制度が統一されている産業廃棄物収集運搬業許可に注目が集まります。

  • 許可権限は都道府県や政令市にあり、審査基準が全国的に統一
  • 要件を満たせば新規参入が可能で、複数地域での取得もできる
  • 許可証の存在が法人営業や入札時の信頼材料となる

このため、「一般廃棄物許可が取れない → 産廃許可を取得」という流れが生まれます。


3.本来業務が産廃でなくても取得するメリット

事業計画が産廃業務を含まなくても、産廃許可を取得することには複数のメリットがあります。

  1. 信用確保
     法人・自治体との契約条件を満たし、法令遵守の姿勢を示せます。
  2. 将来の事業拡大に備える
     解体業や事業系廃棄物回収など、新規事業への参入準備になります。
  3. 混在案件への対応
     遺品整理やリサイクル現場で産廃に該当する物を合法的に扱えるようになります。
  4. 競合との差別化
     無許可業者との差別化として営業活動に活用できます。

4.注意点と適法運営の必要性

ただし、許可の適用範囲を誤解したまま一般廃棄物を運ぶと、廃棄物処理法違反になります。
許可申請の際には、将来的な産廃業務の計画を記載し、実態と申請内容を一致させることが重要です。
さらに、許可取得後も委託契約書の適正作成マニフェストの発行管理など、法定義務を確実に履行する必要があります。


5.まとめ

リサイクル業者や遺品回収業者にとって、本来は一般廃棄物許可が必要ですが、取得が難しいため産廃許可を選ぶケースが増えています。
また、実際に産廃業務を行っていなくても、信用性向上・将来性確保・対応力強化のために取得する事業者も少なくありません。
重要なのは、許可の範囲を正しく理解し、適法かつ計画的に活用することです。

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