1.なぜ複数県で許可が必要になるのか

産業廃棄物収集運搬業の許可は、**廃棄物を積み込む場所(排出元の県)**と、積み下ろす場所(処分先の県)の両方で必要となります。
例えば、愛知県内の事業場から廃棄物を収集し、岐阜県の処分場に運ぶ場合、愛知県と岐阜県の2つの許可が必要になります。
この仕組みは三重県や静岡県へ持ち込む場合も同じで、結果として愛知・岐阜・三重・静岡の4県の許可
を揃える必要が出てきます。

2.愛知県から4県の処分場へ運ぶ場合

仮に排出元がすべて愛知県であったとしても、処分先が岐阜・三重・静岡と複数県にまたがれば、**4県の許可(愛知+岐阜+三重+静岡)**が必要です。

  • 愛知県の現場 → 愛知県の処分場 → 愛知県許可
  • 愛知県の現場 → 岐阜県の処分場 → 愛知+岐阜の許可
  • 愛知県の現場 → 三重県の処分場 → 愛知+三重の許可
  • 愛知県の現場 → 静岡県の処分場 → 愛知+静岡の許可

つまり、「1つの排出元から同じ品目を複数の処分場に分散して搬入すること」自体は可能ですが、県ごとの許可と処分場契約が裏付けとして必要になります。

3.各県内で完結する場合との違い

もし愛知→愛知、岐阜→岐阜、三重→三重、静岡→静岡というように、各県ごとに排出と処分を完結させるなら、その県の許可だけで足ります。
ただし、各県に排出現場を持ち、それぞれ運搬する計画であれば、結果的にはやはり4県分の許可が必要になります。
違いは、愛知県から4県へ一括して広域に出すのか、各県内で独立した収集運搬を行うのか、という事業計画上の整理の仕方です。

4.事業計画に盛り込むべきポイント

複数県にまたがる事業計画を作成する際には、次の点を意識する必要があります。

  1. 処分場の特定
     各県で利用する処分場名・所在地・許可番号・受入可能品目を明記することが重要です。
     「どこでも搬入可能」といった曖昧な記載は認められません。
  2. 委託契約関係
     排出事業者との運搬委託契約、処分場との処分委託契約または受入確認書を整備しておく必要があります。
  3. マニフェストの運用
     運搬先ごとにマニフェストを交付・回収し、帳簿に保存すること。1枚を複数県に振り分けることはできません。
  4. 車両・容器の整合性
     各県に提出する申請書で、申請品目・車両・容器・表示が矛盾なく統一されていることが求められます。
  5. 積替え・保管の有無
     行わない場合は「積替え・保管を行わない」と明記。行う場合は、施設所在地の県で別途「積替え・保管を含む許可」が必要です。

5.まとめ

  • 愛知県の現場から岐阜・三重・静岡へ運ぶ場合、4県の許可が必要です。
  • 県内完結であっても、各県で運搬を行うなら4県の許可が必要です。
  • 許可取得に際しては、処分場の特定・契約書類・マニフェスト・車両や容器の整合性を明確にした事業計画を作成することが不可欠です。

複数県にまたがる計画は、申請や管理が煩雑になります。したがって、実際の運搬ルート・数量・契約関係を整理したうえで、事業計画を組み立てることが許可取得と適正運営のカギとなります。

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