PCB特措法の背景

**PCB特別措置法(PCB特措法)**は、ポリ塩化ビフェニル(PCB)という有害化学物質を含む廃棄物を適切に処理するために制定された法律です。PCBはかつて電気機器の絶縁油などに広く利用されましたが、強い毒性や環境残留性が問題となり、1970年代以降は製造・使用が禁止されました。しかし、既存の機器や廃棄物にはいまなおPCBが残存しており、その処理を加速させるために制定されたのがPCB特措法です。

法律の目的

PCB特措法の目的は、人の健康および生活環境への被害を未然に防止することです。そのため、PCB廃棄物の保管事業者や所有者に対して処理期限を設け、適切に処理を進める義務を課しています。

PCB特措法の主な内容

  1. 処理期限の設定
    PCB廃棄物は、法律で定められた期限までに処理を完了しなければなりません。期限を過ぎると法令違反となり、罰則の対象になります。
  2. 事業者の義務
    PCB廃棄物を所有する事業者は、適切な保管・届出・期限内処理を行うことが求められます。特に保管状況については、行政への定期報告が義務づけられています。
  3. 処理の委託
    PCB廃棄物の処理は、高度な専門技術を有する処理施設でしか行えません。事業者は必ず認定処理業者に委託し、法的に適正な手続きを踏む必要があります。
  4. 罰則規定
    PCB廃棄物を不法投棄・放置した場合や、期限を過ぎて処理しなかった場合には、厳しい罰則が科されます。

PCB特措法の意義

PCB特措法は、環境リスク管理の象徴的な制度といえます。PCBは国際的にも「残留性有機汚染物質(POPs)」として規制対象に指定されており、日本も国際的な約束を果たすためにこの法律を運用しています。

今後の課題

PCB廃棄物の処理は大規模かつ長期的であり、対象機器や油の特定・管理、処理施設の能力確保などが課題です。中小企業にとっては処理コストが負担になるケースも多く、今後は行政支援や普及啓発がより一層求められます。


PCB特措法は、環境と人の健康を守るための期限付きルールです。PCBを含む機器や油を保管している場合には、必ず処理期限を確認し、計画的に処理を進めることが重要となります。

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