1 複数県申請の基本的な考え方

産業廃棄物収集運搬業の許可は、都道府県や政令指定都市ごとに申請が必要です。
そのため、愛知県と岐阜県、三重県のように複数県で事業を行う場合は、それぞれの自治体に対して許可申請を行わなければなりません。
このときに重要なのが、事業計画をどのように整理して作成するかという点です。

2 事業計画で整理すべき内容

複数県に申請する場合、計画書には以下の点を整理して明確にしておく必要があります。

  • 収集運搬する廃棄物の種類(申請品目ごとに統一する)
  • 排出事業場の所在地(どの県の事業場から積込みを行うか)
  • 運搬経路と処分先(他県にまたがる場合は特に明確に記載)
  • 車両や容器の使用計画(各県での使用実態を説明できるようにする)

これらを整理しておかないと、審査時に「県ごとの整合性が取れていない」と判断されるリスクがあります。

3 事業計画作成時の注意点

複数県申請では、以下のような注意点があります。

  • 申請書ごとに同じ内容を反映させることが基本です。異なる記載があると、虚偽や不備とみなされかねません。
  • 収集運搬の範囲は「積込み県」+「運搬経路」+「処分先県」が一体で審査されます。そのため、どの県の許可が必要かを正確に見極めることが重要です。
  • 処分先が複数県にわたる場合、全ての経路に対応できる許可を準備しておく必要があります。

4 事業計画と実務運営の整合性

事業計画は、単なる申請書類ではなく、実際の事業運営の指針となるものです。
そのため、計画段階で無理のある運搬ルートや過剰な車両台数を記載すると、実際に運営できず許可の信頼性を損なうことになります。

**「計画=現実の運営体制」**であることを意識して作成することが不可欠です。

5 まとめ

複数県に申請するための事業計画作成では、

  • 廃棄物の種類や事業場・処分先の整理
  • 県ごとの整合性を保つこと
  • 実務と計画の一致

これらが大切です。慎重に準備することで、スムーズに許可を取得し、広域的な事業展開が可能となります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、
公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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