水銀使用製品とは

水銀は、体温計・血圧計・蛍光ランプ・スイッチなどの製品に使用されてきました。しかし、水銀は環境や人体に有害であるため、廃棄の際には特別な基準に基づいて処理する必要があります。これらは**「水銀使用製品産業廃棄物」**として区分され、厳格な管理が求められます。


処理の基本基準

  1. 分別保管の徹底
     水銀使用製品は他の廃棄物と混ぜずに保管し、破損や漏洩を防止するための丈夫な容器に収める必要があります。
  2. 破砕の禁止
     破砕すると水銀が飛散し環境に深刻な影響を及ぼすため、破砕処理は原則禁止とされています。
  3. 専用処理施設での対応
     処理は、水銀回収装置や密閉型焼却炉などの専用設備を持つ処理施設で行う必要があります。

排出事業者の責任

  • マニフェスト管理:処理の流れを追跡・記録し、適正処理を確認する。
  • 処理委託契約:必ず許可を受けた処理業者と契約を結ぶ。
  • 保管基準の遵守:処理されるまでの間、飛散・流出・漏洩を防ぐ措置を徹底する。

違反によるリスク

  • 行政処分(改善命令や罰則)
  • 環境汚染による周辺住民の健康被害
  • 企業としての信用失墜

これらは事業活動全体に大きな影響を及ぼすため、基準を守ることが不可欠です。


今後の動向

水俣条約により国際的にも水銀規制は強化されています。日本でも水銀を含む製品の使用は段階的に制限され、廃棄物処理基準も厳しくなっています。最新の法令や通知を常に確認することが重要です。


まとめ

  • 水銀使用製品は特別管理産業廃棄物として厳格に規制される。
  • 分別保管・破砕禁止・専用処理施設での処理が基本ルール。
  • 排出事業者にはマニフェスト管理と契約徹底の責任がある。
  • 違反すれば罰則・信用失墜のリスクがある。
  • 国際的にも規制は強まっており、常に最新情報を確認する必要がある。

※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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吉田哲朗
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