
― 契約書・許可証・マニフェストの確認が基本 ―
産業廃棄物の処理においては、「適正処理」を徹底することが最も重要です。
適正処理とは、廃棄物が法令や基準に沿って処理され、環境汚染を防ぐことを目的とした管理体制を指します。
ここでは、適正処理を実現するために特に重要な3つのポイント――契約書・許可証・マニフェストについて整理します。
1.契約書の締結と内容確認
**排出事業者と処理業者との間で締結する「産業廃棄物処理委託契約書」**は、適正処理の第一歩です。
契約書には、処理を委託する廃棄物の種類、数量、処理方法、処理料金、責任分担などを明確に定める必要があります。
書面で契約を交わしていない場合、委託が違法と判断される可能性もあります。
また、電子契約を利用する場合も、環境省令に基づいた電子署名・保存方法を満たしているか確認が必要です。
契約書の有効期間や更新日を把握し、定期的に内容を見直すことで、廃棄物の種類変更や処理方法の改定にも対応できます。
2.許可証の確認と写しの保存
委託先の処理業者が適正な許可を受けているかどうかの確認も欠かせません。
「産業廃棄物収集運搬業」「処分業」といった許可証には、有効期限・許可番号・許可品目・許可地域などが明記されています。
特に注意したいのは、自社の廃棄物が委託先の許可品目に含まれているかです。
例えば「汚泥」「廃プラスチック類」など、品目ごとに許可が分かれているため、品目外のものを運搬・処理すると不法行為に該当します。
委託契約を結ぶ際には、必ず許可証の写しを取得・保存し、更新時期を管理しておくことが重要です。
3.マニフェストの発行と管理
最後に、**マニフェスト(産業廃棄物管理票)**の発行と管理です。
マニフェストは、廃棄物が排出から最終処分まで適正に処理されたことを証明する書類であり、排出事業者が自らの責任で管理するものです。
紙マニフェスト(複写式)と電子マニフェスト(JWNET)があり、いずれも5年間の保存義務があります。
電子化を進めることで、処理状況をリアルタイムで把握でき、報告漏れや返送遅延の防止にもつながります。
マニフェストの記載内容と契約書・許可証を突き合わせることで、委託内容が適正に行われているか確認できます。
まとめ:書類管理が適正処理の基本
適正処理の実践には、契約書・許可証・マニフェストの三位一体の管理が欠かせません。
これらを定期的に点検・更新することで、法令違反のリスクを防ぎ、社会的信頼を高めることができます。
また、廃棄物の種類や処理方法が変更された場合には、契約書と許可証の再確認を必ず行いましょう。
適正処理は、単なる法令遵守にとどまらず、企業の環境コンプライアンス体制そのものを示す重要な要素です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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