一般廃棄物と産業廃棄物が同時に発生する場面の考え方

廃棄物の実務において、「あわせ産廃」という言葉を耳にすることがあります。
これは法律上の正式な用語ではありませんが、一般廃棄物と産業廃棄物が同時に発生・排出される状況を指して、実務上使われる表現です。市町村が単独あるいは共同して、一般廃棄物とあわせて処理できることができる産業廃棄物をいいます。

特に、店舗・事務所・建設現場・イベント会場などでは、事業活動に伴う廃棄物と、それ以外の廃棄物が混在しやすいため、この考え方を正しく理解しておくことが重要になります。


あわせ産廃が問題となりやすい典型例

あわせ産廃が問題になるのは、次のような場面です。

  • 飲食店や事務所の改装工事
     工事に伴って発生する廃材(産業廃棄物)と、従業員や利用者が出す生活系ごみ(一般廃棄物)が同時に発生するケース。
  • イベント・催事の撤去作業
     設営・撤去に伴う資材くずと、来場者が出す可燃ごみ・容器包装ごみが混在するケース。
  • 店舗閉鎖・原状回復工事
     解体材・内装材と、店舗運営に伴って出る日常ごみが同時に排出されるケース。

これらはいずれも、見た目だけでは区別が難しいという共通点があります。


廃棄物区分は「性状」ではなく「発生原因」で判断する

廃棄物の区分は、「何でできているか」ではなく、「どのような活動から発生したか」によって判断されます。

たとえば、同じ紙くずであっても、

  • 工事に伴って発生したもの → 産業廃棄物
  • 事務所の日常業務で発生したもの → 一般廃棄物

というように、扱いが異なります。

このため、あわせ産廃の場面では、排出経路・発生状況を整理せずに一括処理してしまうことがリスクになりやすいのです。


混合して処理することのリスク

一般廃棄物と産業廃棄物を区別せずに混合して処理すると、次のような問題が生じます。

  • 無許可処理・不適正処理と判断される可能性
  • 委託契約・マニフェストの不整合
  • 排出事業者責任を問われるリスク

特に産業廃棄物については、排出事業者が最終処分まで責任を負う仕組みになっているため、区分の誤りは後から大きな問題に発展することがあります。


あわせ産廃への実務上の対応ポイント

あわせ産廃が想定される場合、次の点を意識することが重要です。

  • 発生段階で分別できる体制を整える
  • 委託先が、それぞれの廃棄物区分に対応した許可を持っているか確認する
  • 契約書・処理フローを区分ごとに整理する

「まとめて出るから、まとめて処理する」という考え方は、廃棄物処理の実務では通用しない場面が多い点に注意が必要です。


まとめ

あわせ産廃は、特別な廃棄物の名称ではありませんが、実務上、非常にトラブルになりやすい状況を表す言葉です。

重要なのは、一般廃棄物と産業廃棄物を同時に扱う場面こそ、区分の原則に立ち返ることです。

排出の背景を整理し、適切な処理ルートを確保することが、結果として排出事業者自身を守ることにつながります。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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