
はじめに
食品関連事業では、製造・卸売・小売を一体で行っている事業者も多く存在します。
そのような事業場から排出される食品廃棄物が「一般廃棄物」なのか「産業廃棄物」なのかについて、判断に迷うケースは少なくありません。
特に、
「製造もしているが、販売も行っている」
「同じ建物で複数の業態を行っている」
といった場合、単純に業種名だけで判断すると誤りにつながることがあります。
本記事では、製造・卸売・小売を併せて行う事業場から排出された食品廃棄物の扱いについて、基本的な考え方を整理します。
廃棄物区分の基本的な考え方
廃棄物処理法では、廃棄物を大きく
一般廃棄物
産業廃棄物
に区分しています。
食品廃棄物については、「どの業種の事業活動に伴って排出されたか」が重要な判断基準になります。
単に「事業所から出た食品廃棄物だから産業廃棄物」という整理にはなりません。
食品廃棄物が産業廃棄物とされるケース
食品廃棄物のうち、産業廃棄物に該当するのは、主に次のような場合です。
・食品製造業における製造工程から発生したもの
・食品加工工程で生じた原料くず、製品不良品など
いわゆる「食品製造業」に該当する事業活動に伴って排出された食品廃棄物は、産業廃棄物(動植物性残さ)として扱われます。
卸売・小売段階で発生した食品廃棄物の扱い
一方で、卸売業・小売業の段階で発生した食品廃棄物については、原則として次の整理になります。
・販売期限切れによる廃棄
・売れ残り商品の廃棄
・陳列・販売過程で発生した食品廃棄物
これらは、製造工程ではなく販売行為に伴って発生したものであるため、一般廃棄物(事業系一般廃棄物)として扱われるのが原則です。
製造・卸売・小売を一体で行う事業場の場合
問題となりやすいのが、製造・卸売・小売を同一事業場で行っているケースです。
この場合、重要なのは「どの工程・どの事業活動に起因して発生したか」という点です。
同じ食品廃棄物であっても、
- 製造工程で発生 → 産業廃棄物
- 販売・流通段階で発生 → 事業系一般廃棄物
というように、排出原因ごとに区分して判断します。
事業場全体を一括して「製造業だからすべて産業廃棄物」とする整理は適切ではありません。
実務上の注意点
実務では、次の点に注意が必要です。
・排出場所・工程ごとに分別管理すること
・契約書やマニフェストの対象廃棄物を明確にすること
・自治体ごとの運用基準を事前に確認すること
特に、一般廃棄物と産業廃棄物が混在すると、無許可処理や契約不備と判断されるリスクが生じます。
まとめ
製造・卸売・小売を行う事業場から排出される食品廃棄物は、一律に「一般産業廃棄物」になるわけではありません。
重要なのは、どの事業活動・どの工程に伴って排出されたかという視点です。
製造工程由来であれば産業廃棄物、販売・流通段階由来であれば事業系一般廃棄物、という基本整理を踏まえ、適切な分別・契約・処理を行うことが求められます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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