1、廃棄物管理は法を遵守する業務

廃棄物管理の業務は、ほかの業務にも増して法律を遵守する業務です。この業務にミスが起こると必然的に法令違反となり、それは会社にとってのリスクにつながります。

2、排出事業者は最終処分終了まで

排出業者の責任は、「処理業者に委託して終わり」というわけではありません。その業務の廃棄物の最終処分が終了するまで、適正に処理する責任です。

そのため、「適正な処理事業者を選択する」ことです。

処理業者の選択基準としては、

①コンプライアンスを重視している中間処理業者に委託

②最終処分業者を定期的に監査している中間処理業者に委託

していることです。

3、法令違反をしたらどうなるのか?

もし法令違反を起こしたらどうなるのか。罰則や社名公表などのリスク、さらには社員の書類送検や逮捕などがあげられます。廃棄物処理法では3億円以下の罰金に科されます。

法令違反では、上記のリスクだけではなく、会社の信用失墜、業績悪化を招くことされあります。

4、あとを絶たない法令違反

リスクが実際に顕在化してしまった事例、ニュースとなってしまった事例として「これは決して対岸の火事ではない」ということを改めて確認します。

それは、大手製造会社

が無許可業者へ処理委託してしまうからです。そのため、ニュースになる可能性が大きいのです。

なぜ、大手製造会社が無許可業者に処理委託してしまうかという問題ですが、はじめは許可取得できていたとしても

許可期限が過ぎてしまって更新許可していない収集運搬業者に委託した場合は、無許可業者への処理委託が成立します。また、収集運搬業者が委託する廃棄物の種類の許可を得ていない場合も無許可業者への処理委託になってしまいます。

5、廃棄物処理法違反での検挙状況

新聞記事にはならなくても、実際に多くの廃棄物担当者が書類送検や逮捕されています。

世の中的にとても多い廃棄物事案の検挙状況は、警察庁が集計する生活経済事犯の中では、廃棄物にかかる検挙件数、検挙人数は1番多いのです。「ヤミ金事犯」の約10倍の多さです。

6、刑事罰と行政処分とどう違うか?

警察の捜査をきっかけに刑事裁判により罰金刑などが科される刑事罰です。

自治体から輩出事業者に対して出される措置命令などの行政処分です。

この違いについて、刑事罰などでは一定の時間で時効がありますが、行政処分については時効はありません。

7、そもそも処理業者は信用できるのか?

処理業者も不法投棄や不適正処理することがあります。なぜ処理業者は不適正な処理をする事態に陥ってしまうのか、その実態について解説します。

廃棄物の処理では、排出事業者から処理業者に「モノ」も「お金」も一方通行で流れます。この一方通行のために処理業者は「いい加減」に処理してしまいがちになります。

また、処理コストを減らせば利益があがること、さらには、転売や横流しすることで簡単に儲けることができるからです。

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吉田哲朗
吉田哲朗