
1、監査の方法
①監査を行う目的
処理業者による不適正処理などのリスクを最小化さるため
適正に処理されていることを目で確認するため
行政処分などの可能性はないか、安心して委託できることを確認
②監査は定期的に
処理業者は処理フローをよく変えることもありますし、その会社の財政状況や売却される資源相場の下落などの外部環境が変化すると、いい加減な処理を行う可能性があるからです。
目安として、中間処理業者は年1回、収集運搬業者、最終処分業者は数年に1回ほどです。
③監査の計画・体制
監査対象先の選定、確認する必要があります。
監査を行うに足りる能力のある人が教育を受けて、監査員に選定されることが重要です。
監査員の人数として2人以上が好ましいです。
④監査のルール策定と資料準備
監査ルールの策定すること必要です。
事前に確認するツールとして事前調査シートを作成・確認します。
監査項目、判断ポイント、判断基準の3つの項目がある現地監査チェックシートを準備します。
監査を行ったら記録を残すための監査報告書を用意します。
⑤事前準備
自社の廃棄物を目で見て確認します。
処理業者の許可証を確認して、新規処理業者であれば処理委託可能か、既存処理業者であれば許可内容に変更がないか確認します。
監査を行う日の2週間前に事前調査シートを処理事業者に送り、調査項目に対する回答を依頼します。
事前調査シートの返送を確認し、その内容に問題はないか、返送されるまでの対応状況に問題はないかなどの確認を行います。
監査当日までの準備を行います。
⑥監査当日~監査報告
監査の流れ
オープニング、事務所監査、現場監査、クロージング
監査で、調査項目ごとに、その確認結果を判断しなければなりません。
監査報告では、あらかじめ決めておいた記録方法、ひな形に従って報告書を作成します。
2、収集運搬業者への監査
①監査を行う理由
収集運搬業者への監査を行う理由は、収集運搬業者による不適正な行為により、排出事業者にその責任が課されることを未然に防ぐために行います。
②許可証の監査ポイント1
積込地と荷下ろし地の許可の確認を行う。
廃棄物が発生する可能性のある地域の許可証の確認する。
偽造の許可証の写しに注意するため、原本確認を行います。
③許可証の監査ポイント2
委託する廃棄物の種類が、すべての許可証の品目に含まれているか確認します。
許可証ごとに有効期限が異なることがあるので確認を怠らないようにします。
④車両の監査ポイント1
許可を得た車両で運搬しているか確認します。
車両へ許可証を備え付けているか確認します。
⑤車両の監査ポイント2
適切な車両で運搬しているか確認します。
排ガス対策のとられている車両か確認します。
⑥車両点検と再委託の監査ポイント
車両点検を行っているか確認します。
他の運搬業者へ再委託していないか確認します。
⑦マニフェストの監査ポイント
収集運搬業者は、B1票を自社で保管し、C2票を保管することが義務付けられていますので、しっかりファイルに保管されているか確認します。
収集運搬業者は、収集運搬が終了してから10日以内に、また、交付日から起算して90日以内にB2票などを排出事業者に返送する義務があります。したがって、このマニフェストの取扱いが適切であるか確認します。
⑧マニフェストと積替保管のポイント
平成23年4月の廃棄物処理法改正でマニフェスト未交付の場合の処理委託が明確に禁止され、これにより収集運送業者はマニフェスト未交付での収集運搬を行うことができなくなりました。したがってマニフェスト未交付の場合、ヒアリングで確認するなどの対応を取る必要があります。
積替保管について適正運用しているかどうか確認します。
3、処分業への監査
①監査を行う理由
排出事業者は毎日のように処理の現場を見ているわけではなく、不適正処理を防ぐために監査が必要です。
②許可証の監査ポイント(中間処理業者)
許可証の原本の確認を行います。
施設の設置許可の確認を行います。
③施設管理の監査ポイント(中間処理業者)
施設の管理責任者を確認します。
処理施設の維持管理マニュアルの有無とその記録を確認します。
④処理フローの監査ポイント(中間処理業者)
適正に処理が行われているか処理フローの確認を行います。
事務所で処理設備の処理フロー等を確認してから、現場で実際に目にして処理設備を確認します。
⑤処理設備の監査ポイント1(中間処理業者)
排水の測定記録が規制値以下であるかどうかを確認します。
中間処理場に油水分離槽がある場合、もしくは油が漏れる可能性の廃棄物を受け入れている場合は油水分離槽を目で見て確認します。
⑥処理設備の監査ポイント2(中間処理業者)
中間処理施設が排ガスを排出するような施設の場合は、排ガス規制値以下で排出されているかを確認します。
中間処理施設にメンテナンス期間が設けられている場合、その間に再委託されたり、不適切な処理が行われたりする可能性があるので、メンテナンス時の廃棄物の受け入れ体制について確認します。
⑦マニフェストの監査ポイント(中間処理業者)
中間処理業者は、廃棄物の中間処理が終わったことの証として処分終了日をC1票に記入して自社でC1票を保管します。その写しになるC2票を収集運搬業者へ、D票を排出事業者返送することが義務づけられています。
したがって、委託した廃棄物のマニフェストA票にあたるC1票がファイルに保管されているかを確認します。
また、これから返送するマニフェストD票やE票を見せてもらい、交付日から起算して90日、180日を超えていないかも確認します。
1次マニフェストと2次マニフェストの紐付け管理ができているか確認します。
⑧保管場所の監査ポイント(中間処理業者)
廃棄物の保管場所を示す掲示板の設置及び掲示板に記載されるそれぞれの記載事項について確認します。
保管場所における廃棄物の高さ制限についてその高さを超えていないか確認します。
保管場所の地面がコンクリートで舗装されているか、そのコンクリート舗装に大きなひび割れがなどがないか、飛散防止の対策がされているか確認します。
⑨処理設備の監査ポイント(最終処分場)
最終処分場は、環境保全の観点から汚水の外部流出、地下水汚染、廃棄物の飛散・流出、ガス発生、そ族昆虫(ねずみやハエなど)の発生防止しながら、所要量の廃棄物を安全に埋立処分できる構造物です。
最終処分場は、廃棄物処理法によって安定型最終処理場、管理型最終処分場及び遮断型最終処分場の3つに分類され、各々の処分場に埋立処分できる産業廃棄物と最終処分場の構造基準・維持管理基準が定められています。
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