自ら処理の運用例

・事業者により排出された産業廃棄物の収集運搬を行うにあたり、特殊な種類・性状等であるため、その許可を受けていません。

事業者から「車両に自社側の従業員を同乗させるので問題ない」という説明があったのですが、許可を受けなく良いのでしょうか？

・車両に同乗した事業者側の従業員が運転手と車両の双方を支配・管理していることから事業者による「自ら運搬」と解釈しているされますが、これを明確に肯定する根拠はないようです。

・事業者と直接の雇用関係にない者が事業者により排出された産業廃棄物を処理する業務に直接従事する場合、この業務従事者による処理を事業者による「自ら処理」と見なすことは可能でしょうか?

次の点を全て満たす場合は、事業者による「自ら処理」と見なすことが可能です。

①事業者が産業廃棄物の処理について自ら総合的に企画、調整及び指導を行っていること

②処理の用に供する施設の使用権原及び維持管理の責任が事業者にあること(産業廃棄物処理施設 については、事業者が設置の許可を受けていること)

③事業者が業務従事者に対して個別の指揮監督権を有し、雇用者(業務従事者を雇用する者)との間で業務従事者が従事する業務の内容を明確かつ詳細に取り決めること(これにより事業者が産業廃棄物の適正処理に支障をきたすと認める場合は、業務従事者の変更を行うことができること)

④事業者と雇用者の間で、いわゆる「事業者の処理責任」が事業者に帰することが明確にされていること

⑤上記③と④について、事業者と雇用者の間で労働者派遣契約等の契約を書面にて締結することにより明確にされていること

※事業の範囲としては、事業者の構内又は建物内で行われる場合等、事業者による個別の指揮監督権が確実に及ぶ範囲で行われる必要があります。

事業者の敷地が広大なため、そこで発生する産業廃棄物を構内の指定された場所に車両で運ぶよう、指示され場合(場外への搬出や場外からの搬入等、公道を含む範囲での収集運搬は一切行わない)、業廃棄物収集運搬業又は特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可が必要ですか?

・事業者の構内でしか産業廃棄物の収集運搬を行わない場合であっても、他人の排出した産業廃棄物を業として収集運搬するので許可を受けなければならないこととされています。

吉田哲朗