廃棄物処理は、環境保全と社会的責任の観点から、厳格な管理が求められる分野です。適正な処理を行うためには、単に収集・運搬・処分をするだけでは不十分で、組織内にしっかりとした管理体制の整備が必要不可欠です。

1. 基本方針と責任者の明確化

まず重要なのが、廃棄物管理に関する基本方針の策定です。会社全体で「どのような考えで廃棄物を処理するか」を明示し、従業員に周知することがスタートです。そのうえで、責任者を明確にし、管理業務の指揮命令系統を確立します。

2. マニフェスト管理の徹底

産業廃棄物の場合、処理の流れを確認するためのマニフェスト制度が法律で義務付けられています。紙または電子マニフェストを用いて、「排出→収集→処分」の過程を記録・管理し、適正処理が行われたことを証明できる体制を整えます。

3. 契約書の整備と委託先の確認

廃棄物の処理を外部に委託する場合、委託契約書の締結が必要です。業者の許可内容を確認し、不適切な処理を行わない信頼できる業者を選定することが管理体制の大前提となります。

4. 社内教育と定期的な点検

管理体制は形だけ整っていても意味がありません。現場の作業者が制度を理解し、適切に行動できるよう、定期的な教育・研修を実施することが求められます。また、点検や内部監査を行い、改善につなげる仕組みも必要です。

5. 緊急時対応のルール化

万が一、不法投棄や事故などのトラブルが発生した場合に備え、緊急時の対応マニュアルを整備しておくことで、リスク管理にもつながります。

まとめ


適正処理は企業の信頼を守る行動であり、コンプライアンスの要です。形だけでなく、実効性のある管理体制を築くことが、社会的責任を果たす第一歩です。

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吉田哲朗
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