産業廃棄物処理業の許可取得や委託契約においては、業者の「適正性」が重要視されます。これは、環境への影響やコンプライアンス遵守の観点から、信頼できる事業者を見極めるために不可欠な指標です。以下では、行政が重視する判断基準について説明します。


1.法令遵守状況

過去に不適正処理や行政処分を受けた履歴がないかどうかが確認されます。特に以下の点がチェックされます。

  • 無許可営業の有無
  • 処理基準違反、マニフェスト不備などの違反履歴
  • 関係法令(廃棄物処理法、消防法、労働安全衛生法 等)に違反していないこと

2.人的・物的体制の整備

適正な処理を行うための体制が整っているかどうかが評価されます。

  • 有資格者(産業廃棄物処理業の講習修了者)の配置
  • 処理設備の能力や保守管理状況
  • 安全管理・環境保全への取り組み

3.財務的基盤の安定性

経営状態が安定しているかも重要です。廃棄物処理業務は継続性が求められるため、倒産リスクのある事業者は委託先として不適格と判断されることがあります。

  • 直近の決算状況
  • 債務超過の有無
  • 納税義務の履行状況

4.地域住民との関係・苦情の有無

周辺住民からの苦情や紛争履歴の有無も、行政が重視する点です。信頼性と社会的信用が問われる要素です。


5.委託契約の適正性

廃棄物の排出事業者としても、処理委託契約書が適切に締結されているか、マニフェストの運用が正確かなどが問われます。契約先の業者に問題があると、排出事業者にも責任が及びます。


まとめ

産業廃棄物処理業者の選定においては、見た目の安さや利便性ではなく、「適正性」が最も重視されます。許可証の確認だけでなく、業者の実績や処理体制についても慎重に確認することが、企業の社会的責任(CSR)にもつながります。

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吉田哲朗
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