
―廃棄物処理における“想定外”への適切な対応―
産業廃棄物の収集運搬や処分の現場では、当初の契約内容と異なる廃棄物が搬入されたり、設備上処理が困難なケースが発生することがあります。そのような場合、業者側が適切に対応しなければ、違法処理や環境リスクにつながりかねません。
このようなトラブルに対処するために必要なのが、「処理困難通知(処置困難通知)」です。本記事では、その内容と実務上のポイントを解説します。
■ 処理困難通知とは?
「処理困難通知」とは、契約内容に基づいた処理ができないと判断された場合に、収集運搬業者や処分業者が排出事業者に対して通知する文書です。
■ 通知の義務と法的根拠
処理困難通知は、廃棄物処理法(第12条の4・施行規則第8条の5)に基づく「報告義務」の一つと位置付けられています。
▼ 通知が必要な主なケース
- 契約内容と異なる性状・種類の廃棄物が搬入された
- 廃棄物が危険物を含み、安全な処理が困難である
- 処理施設の不具合等により受入れができない
- 荷姿や容器が著しく破損しており安全上問題がある
■ 通知のタイミングと方法
通知は、**速やかに(目安:7日以内)**書面で行うことが原則です。電話連絡の後に書面で正式通知を行う形が実務上一般的です。
▼ 通知書に記載すべき内容
- 廃棄物の受領日・場所・数量
- 困難な状況の詳細(例:悪臭、液漏れ、爆発性あり等)
- 発見時の状況写真(証拠として重要)
- 排出事業者への対応要請(返送、再契約など)
■ 注意点と実務のポイント
- 曖昧なまま処理しないこと
→ 不適正処理と見なされ、許可取消や刑事罰の対象となる恐れがあります。 - トラブル時こそ“記録を残す”
→ 写真、受渡記録、通話録音などの保全が重要です。 - 迅速・丁寧な連絡
→ 排出事業者との信頼関係を保つため、感情的にならず冷静な対応を。
■ 行政書士による支援
行政書士は、トラブル発生時の文書作成サポートや、通知書の書式整備、行政対応のアドバイスを行うことが可能です。
「どう書けば法的に問題ないのか」「記載内容でトラブルにならないか」といった不安も専門的にサポートいたします。
▶ まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
通知名称 | 処理困難通知(処置困難通知) |
対象場面 | 処理内容が契約に適合しない、処理困難な場合 |
通知義務者 | 収集運搬業者・処分業者 |
通知の方法 | 書面(書式自由)、速やかに(7日以内が目安) |
書類の重要性 | 法令遵守・紛争予防・許可維持の観点から極めて重要 |
トラブルを未然に防ぎ、法令に則った適正な対応を行うためにも、「処理困難通知」は廃棄物業界の現場力に欠かせない手続きです。
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