近年、プラスチックごみによる環境問題が深刻化する中、廃プラスチックの適切な選別とリサイクルの重要性がますます高まっています。この記事では、廃プラスチックの選別方法やその意義について解説します。


廃プラスチックの種類

廃プラスチックと一口に言っても、実はさまざまな種類があります。主なものは以下のとおりです。

  • PET(ポリエチレンテレフタレート):ペットボトルなどに使用
  • PE(ポリエチレン):レジ袋・容器包装など
  • PP(ポリプロピレン):食品容器・ストローなど
  • PS(ポリスチレン):発泡スチロール・カップ麺容器など
  • PVC(ポリ塩化ビニル):水道管・建材など

これらは見た目では判別が難しいため、適切な選別作業が不可欠です。


選別の手法

廃プラスチックの選別には、以下のような手法が用いられます。

1. 人手による手選別

回収されたプラスチックを作業員が手作業で種類ごとに分ける方法です。正確性が高い反面、労力と時間がかかります。

2. 比重選別

水に沈むか浮くかの違いを利用して分別します。たとえば、PEやPPは水に浮き、PETは沈みます。

3. 近赤外線(NIR)選別

プラスチックの種類ごとに反射する赤外線の波長が異なる性質を利用し、自動選別機で識別・分別します。

4. 静電気選別

プラスチックに静電気を帯電させて、それぞれの帯電特性の違いによって分別します。


選別の重要性

廃プラスチックは選別が不十分だと、リサイクル効率が大幅に下がり、最終処分(埋立・焼却)に回されてしまう可能性があります。また、異種混入によりリサイクル製品の品質が低下する恐れもあります。

適切な選別によって、

  • 高品質なリサイクル原料の確保
  • 焼却処理による温室効果ガス排出の削減
  • 資源の有効活用
    といったメリットが得られます。

企業・自治体の取り組み

近年では、選別精度向上のためにAIやロボットアームを活用した選別設備が導入されており、自動化・省力化が進んでいます。また、排出事業者には分別ルールの遵守や、**分別しやすい製品設計(デザイン・フォー・リサイクル)**が求められています。


まとめ

廃プラスチックの選別は、リサイクルの出発点であり、循環型社会への鍵です。企業・自治体・個人がそれぞれの立場で適切な分別・排出を行うことが、持続可能な未来への一歩となります。

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