
産業廃棄物を収集運搬する際には、法律で定められた書類を必ず携帯し、必要に応じて提示できる状態にしておく義務があります。
これは、不適正処理や不法投棄を防ぎ、運搬の正当性を確認するために非常に重要な仕組みです。
以下では、運搬車両に備えておくべき書類と、その理由・注意点を整理します。
1.携帯が義務付けられている書類
● 収集運搬業許可証(写し)
運搬を行う都道府県・政令市の許可を受けていることを示す最重要書類です。
原本の携帯は不要ですが、写しを車内に常備することが義務とされています。
● マニフェスト(交付済控)
運搬している産業廃棄物の種類・数量・排出事業者を示す管理票です。
運搬途中の検査では、マニフェストが即時に確認できることが求められます。
● 委託契約書(写し)
排出事業者との適正な委託関係を証明する書類です。
携帯義務は自治体により運用差がありますが、多くの行政庁が提示を求める場合があるため、写しを備え付けておくのが安全です。
2.なぜ携帯・表示が必要なのか
● 不法投棄や無許可運搬の抑止
書類が確認できないと、行政は「許可のない運搬」や「委託関係のない運搬」と判断せざるを得ません。
その場での指導・聴取、行政処分のリスクが発生します。
● 行政庁・警察による路上検査に対応するため
産廃の運搬中は、行政や警察が随時立入検査・書類確認を行うことがあります。
書類を携帯していないと、運搬の正当性を説明できません。
● 荷下ろし先(処分場)での確認に必須
処分場での受入時には、
- 許可証
- マニフェスト
- 委託契約
の三点セットが必ず確認される運用になっています。
3.電子化している場合の取り扱い
最近は、
・スマホ内のPDF
・タブレット表示
・クラウド保存
など電子データで提示するケースも増えています。
ただし行政庁の実務では、
「提示できれば可」だが、通信トラブル時は不可と扱われる
場合もあるため、紙の写しも併せて携帯しておくのが確実です。
4.よくあるミスと注意点
● 他県の許可証だけ携帯している
運搬ルートのすべての都道府県での許可が必要です。
一部の県しか携帯していないケースは非常に多く、検査で指摘されます。
● 積替え保管あり・なしの区分が不一致
許可証の内容と実運搬の内容が違うと、行政処分の対象になります。
● 古い許可証の写しを使い続けている
更新後に差し替え忘れが頻発します。
更新後は必ず最新の写しに入れ替えることが必要です。
5.まとめ
産業廃棄物を運搬するときは、
「許可証写し」「マニフェスト」「委託契約書」
の三点を必ず車両に携帯し、即時提示できる状態にしておくことが求められます。
書類の携帯義務は単なる形式ではなく、
不法投棄防止・適正処理の証明・行政対応のすべてに直結する重要なルールです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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