1.マニフェスト制度の目的

産業廃棄物が「排出から最終処分まで適正に処理されたか」を確認するために導入された制度が マニフェスト(産業廃棄物管理票) です。
委託者が処理工程を追跡できる仕組みであり、不適正処理・不法投棄を未然に防ぐ役割があります。


2.排出事業者が最初に行うこと

マニフェストの流れは、排出事業者の記載から始まります。

・排出事業者がマニフェストを作成する
・委託契約書の内容と整合していることを確認
・運搬業者・処分業者に交付する

紙マニフェストでは「A票〜E票」、電子マニフェストではJWNET上で交付操作を行います。


3.運搬業者が行う手続き

運搬業者は、受け取った廃棄物を運搬した事実を記録します。

・収集運搬業者が受領印(または電子受領)
・運搬終了後、次の処理業者へ引き渡す
・紙の場合はB2票・電子の場合は運搬終了報告を行う

運搬の過程を明確にすることで、排出者が処理工程を確認できるようになっています。


4.処分業者による受入確認

処分業者が廃棄物を受け入れると、マニフェストの重要な工程が完了します。

・処分業者が受け入れを記録
・処分完了後に処分完了報告(紙:D票の返送/電子:処分終了報告)
・処分内容が契約内容と一致しているか確認

処分業者がきちんと処理を行ったことが、マニフェストにより排出者へ報告されます。


5.排出事業者による最終確認

最後に、排出事業者は処理が完了したかを確認します。

・紙マニフェストはE票が返ってきたか確認
・電子マニフェストでは「処分終了報告」を確認

ここで 処理完了を確認できない場合、排出事業者には報告義務(行政への報告)が発生することがあります。
マニフェストは「排出者責任」を果たすための重要な手続きであり、放置すると法的リスクが生じる点に注意が必要です。


6.保管義務と保管期間

マニフェストには保管義務があります。

・紙マニフェスト:5年間保管
・電子マニフェスト:5年間(システム上で保管)

行政庁が立入検査を行う際に確認されることも多く、ルールに沿った保管が求められます。


7.電子マニフェスト普及の背景

現在、電子マニフェストの導入が進んでいます。

・返送の遅れがない
・紛失のリスクがない
・処理工程の確認が容易
・DX・効率化の観点で企業が導入を求められるケースも増加

処理量が多い事業者や複数拠点を持つ会社にとっては導入メリットが大きく、行政も使用を積極的に推奨しています。


8.適正管理のポイント

マニフェストの流れを適切に管理するためには、次の点が重要です。

・委託契約書の内容と一致しているか毎回確認
・処理業者・運搬業者の許可内容を把握
・E票(または電子の完了報告)のチェックを確実に行う
・返送が遅い場合は早期に確認する

適正処理の基本は、「記録が揃っていること」「流れが見えること」です。


まとめ

マニフェストは、排出から最終処分までの流れを追跡できる重要な管理ツールです。
排出事業者が主体となり、運搬業者・処分業者と連携しながら適切な管理を行うことで、不適正処理の防止と企業の信頼性向上につながります。


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。
実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。

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