
産業廃棄物収集運搬業を行うには、廃棄物処理法に基づき、都道府県または政令市の許可を取得する必要があります。
許可審査では、人的要件・物的要件・経理的基礎などが書面で確認され、事業を継続的かつ適正に行える体制があるかが判断されます。
以下では、実務上特に重要となる要件と証明方法を整理します。
1.欠格要件に該当しないこと
申請者(法人・個人)および役員等が、法令で定める欠格事由に該当しないことが前提となります。
確認される主な事項
- 廃棄物処理法違反による処分歴
- 一定の刑罰歴
- 暴力団関係の有無 など
主な証明方法
- 誓約書
- 身分証明書(本籍地市区町村発行)
- 登記されていないことの証明書
誓約書は提出必須ですが、それ自体が事実を証明する書類ではなく、公的証明書と併せて判断されます。
2.収集運搬に必要な車両・施設を有していること
実際に産業廃棄物を収集・運搬できる体制があるかが確認されます。
確認内容
- 使用車両の種類・台数
- 車両の使用権限
- 駐車場所の確保状況
主な証明方法
- 車検証の写し
- 使用承諾書(借上げ・リースの場合)
- 駐車場の賃貸借契約書や配置図
3.適切な経理的基礎を有していること(重要)
経理的基礎は、審査において特に重視される要件です。
原則的な提出書類
- 確定申告書(法人は決算書)
- 納税証明書
提出期間
- 直近3期分が必要
期数が不足している場合の取扱い
創業間もないなどの理由で3期分が揃わない場合は、通常の決算書・申告書に代えて、経営診断書の提出が必要となります。
これは、将来的な事業継続性を補完的に確認するための書類です。
個人で申請する場合の追加書類
個人事業主が申請する場合には、資産状況の調書の提出が求められます。
これは、事業を継続できるだけの資産状況があるかを確認するためのものです。
4.講習会を修了していること
産業廃棄物の適正処理に関する知識を有していることも要件となります。
証明方法
- 講習会修了証の写し
有効期限内であることが必要です。
5.書類全体の整合性
許可審査では、書類相互の整合性が重視されます。
- 申請書と添付書類の記載内容
- 車両・営業所・駐車場の関係性
- 人的要件と登記事項の一致
形式的な要件を満たしていても、整合性が取れていない場合は補正対象となります。
まとめ
産業廃棄物収集運搬業許可では、経理的基礎(3期分の申告・納税状況)と、その不足時の代替書類が重要な判断材料となります。
単に書類を揃えるだけでなく、事業の実態と書類内容が一致しているかが許可取得のポイントです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。
内容は行政書士 吉田哲朗(行政書士吉田哲朗事務所 代表)が確認し、公開時点の法令・運用基準に基づき監修しています。実際の申請要件や判断は、各行政庁の指導に従ってください。
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