
~カーボンリサイクルの最前線~
近年、地球温暖化対策として注目されているのが「CCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage)」です。これは二酸化炭素(CO₂)を回収し、有効利用または地中に貯留する技術であり、2050年カーボンニュートラル実現に向けたキーテクノロジーの一つとされています。
◆ CCUSの3つの基本ステップ
- Capture(回収)
工場や発電所の排ガスなどからCO₂を分離・回収します。化学吸収法や膜分離法など複数の技術が開発されています。 - Utilization(利用)
回収したCO₂を原料として、合成燃料や化学品、建材(コンクリートなど)に再利用する「カーボンリサイクル」が進んでいます。 - Storage(貯留)
再利用できないCO₂は、地中深く(例えば、使い終わった油田やガス田)に圧入し、長期間安全に隔離します。これが「地中貯留(CCS)」です。
◆ なぜ今、CCUSが必要なのか?
産業活動によって排出されるCO₂をゼロにするのは困難です。特に製鉄業やセメント製造など「プロセス排出」を伴う業種では、CCUSによる**“残存排出分のオフセット”**が不可欠とされています。
さらに、再エネ導入や省エネと並行して、実効性ある削減策として政府や企業が積極的に投資を始めています。
◆ 日本の取り組み事例
- 北海道・苫小牧プロジェクト(JOGMEC等):
国内初の大規模CCS実証として、排出されたCO₂を地下1,000メートル以上の地層に圧入・貯留。 - ENEOSや三菱重工などの企業連携:
製油所や火力発電所などで回収したCO₂を化学品・合成燃料製造に活用。
◆ CCUSの課題と展望
- コストの高さ:
CCUS導入には大規模な設備投資が必要。今後はコスト低減と制度的支援がカギ。 - 社会的受容性:
地中貯留に対する地域住民の理解や合意形成も不可欠です。 - 技術革新:
より効率的なCO₂回収・転換技術の開発が期待されています。
◆ まとめ
CCUSは、カーボンニュートラルを実現するための“最後の切り札”ともいわれます。温室効果ガスの排出削減と資源循環を同時に実現するこの技術は、今後の産業構造やエネルギー政策を大きく左右する存在となるでしょう。
環境課題に対して「出さない努力」と「出しても処理する技術」の両面から取り組むことが、持続可能な社会の実現につながります。
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